スマホ顕微鏡、Leye レビュー

Leye 使用風景
Leye 使用風景

友人経由で、現在(14/4/14)予約申し込み中のスマホ顕微鏡、Leye(エルアイ)の試作機を頂いたので、使い心地などレビューしてみます。

 

Leye - スマホ顕微鏡(公式)

http://leye.jp

 

スマホ顕微鏡 Leye|エルアイ(Appbank Store)

http://www.appbankstore.jp/products/detail.php?product_id=10197

  

Leyeの使いかた

Leye
Leye

 

スマートフォンの普及はすさまじい勢いで進み、どこを見てもiPhoneだらけという現代、いろんな関連アクセサリが出る中、とうとうスマホの上に乗せるだけで使える顕微鏡(最大倍率100倍)が出ました。

 
仕組みは簡単で、球形レンズを真ん中に仕込んだプレパラート状のガラス板を、スマホの前方カメラ前に乗せ、その上に薄いガラス板(右、灰色部分は金属製になっていて、レンズ左右の磁石に張り付く)を乗せ、試料をおくというもの。
レーウェンフック式顕微鏡の原理で、手軽にいろんなものを拡大できます。
 

このサイトは双翅目の情報がメインなので、せっかくならDipteraを使用したかったのですが、ちょうどいいサンプルが翅しか思いつかなかったので、とりあえず手近にあったコケを使いました。これはホウオウゴケ(Fissidens nobilis Griff.)。

ところでなぜそんな手近にコケがあるのかというと、私の部屋の片隅に、粘土質の土にコケを植えたコケ瓶なるものを置いて、こんな具合でいろんなコケを育ててるからです。

ちなみにこれは3年前に作りましたが、その後水やりやトリミングは先月1回したきりで、まったく開けずに放っておいてもすくすく育っています。こないだ買った多肉植物は早速枯れそうというのに、すさまじい丈夫さです。

話がそれましたが、この瓶からとったコケを水洗いし、乾かしてガラス板の上に乗せたところです。ここでは光を確保するため、100均のLEDクリップライトを当てています。

 

使用スマホはKYOCERA製のURBANOですが、フロントカメラの画質がさほど良くないので、撮影サンプルの解像度はやや劣ります。ご了承ください。

撮影サンプル

乾燥状態の葉
乾燥状態の葉

ライトを使わないとこんな具合です(トリミング済)。キムワイプで水けをふき取ってから乗せたので、立体的になってしまうのが難点です。小さい透明カードケース等の中に挟んで平圧するとさらによいかもしれません。

水をたらしてみた
水をたらしてみた

いっそ水で浸したほうがよくなりそうだったのでやってみました。スマホを濡らさないように気を付けながら、葉を濡らして乗せます。

それでも完璧ではないですが、ガラス板を押したりうかせたりすると、多少深度が変化します。

 

深度を変えた2枚をCombineZPで合成
深度を変えた2枚をCombineZPで合成

何度か試行錯誤し、葉縁の形状や細胞の外形が多少わかる程度にはなりました。被写界深度は浅いのでなかなか位置合わせなどにコツがいります。

 

このホウオウゴケ属に限らず、コケ植物では、種の同定に際して葉縁の形状や細胞の形、胞子の形などを見る必要性があり、ふつうはサンプルを持ち帰って顕微鏡下で見ないと種を同定できないことも多々あります。

 

しかし、Leyeとスマホを持っていけば、おおよその形態は観察できるようになるかと思いますので、コケ観察会・同定会などをやる際には力を発揮しそうです。

もちろんコケに限らず、シダ植物やキノコなどでも同じことが言えるので、野外で同定が難しいものでも、Leyeで何とかなるかもしれません。地衣類などは化学染色しないと種が同定できなかったりするので、ちょっとまた違うと思いますが。

 

 

おまけ

Leye 収納袋
Leye 収納袋

この試作機を頂いた際、袋に入っているだけで、特にケースなどはありませんでした。

適当においてバラバラになったりするのも嫌なので、ちょっとしたケースを作りました。

 

そこらへんにあった透明なカード入れ袋を切り、ホチキスで枠を作って止めただけのお手軽仕様。右に入っているのは袋の切れ端で、平圧時などに使用しようと思っています。

袋に入れて密封
袋に入れて密封

これをパウチ袋に入れてしまうと、ほこり等気にしなくていいのでなかなか良いです。収納場所にお困りでしたら、ぜひお試しください。