『趣味からはじめる昆虫学』という本を書きました

ここのところ当サイトの更新が少なくなっておりましたが、その間にこんな本を書いていました。

 

2016/6/25発売
熊澤 辰徳 編『趣味からはじめる昆虫学』(オーム社)
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虫の観察、採集、飼育、撮影、標本作成、そして新発見を広く発表する方法を取り上げています。今まで気づかなかった虫を見つけ、在野の昆虫研究者として活動するための方法をまとめました。
虫には興味があるけど「研究」というと敷居が高そう、虫についての「新発見」をしてみたい、という方におすすめです。写真と実例を豊富に盛り込み、初心者でも楽しく読めるように仕上げました。
この本の見どころの一つに、以下の3名の方によるコラムがあります。

まず、ブログ「ムシをデザインしたのはダレ?」(http://baba-insects.blogspot.jp)で身近な虫写真を多数紹介されている原 有正(BABA)氏によるコラム「身近にいた! 驚いた! 小さな昆虫の世界!」では、身近で見られる虫の観察方法や、微小昆虫の具体的な撮影方法が、豊富な写真付きで解説されています。ブログで紹介されている美麗な写真がどのような観察・撮影によるものかがわかるコラムになっています。

また、オンライン通販サイト「AntRoom」(http://www.antroom.jp)を運営し、アリの生体やアリ飼育セットなどを販売している島田拓氏には、飼育の面白さが伝わってくる「昆虫飼育の楽しさ、難しさ」というコラムを執筆いただきました。飼育をとおして見出された思いもよらぬ生態が多数紹介され、虫の世界の奥深さを感じられ、虫の飼育に挑戦してみたくなるコラムです。

そして、元在野の昆虫研究者で、愛媛大学准教授の吉富博之氏(https://sites.google.com/site/waterbeetlesofjapan/)には、「これからのアマチュア研究者に求められるもの」という熱いコラムをいただきました。虫の研究者(プロ・アマ問わず)になりたい方の心得がわかりやすくまとめられており、在野で活動する私自身、この文章に非常に励まされました。虫の研究に関わってみたいと思っている方に是非読んでいただきたいコラムです。 

私は、研究を仕事とせず在野として昆虫研究に関わっていますが、同じように在野として活動されている方は多くいるにも関わらず、そうした方の活動を後押しするための本はほとんどありませんでした。

また、虫についての新発見に興味があるものの、研究を始めるにはどうしたらいいかわからないという方に向けた本も見たことがありませんでした。


今回縁あって本を書かせていただくことになったため、そうした方々に向けた本を書きたいと思い、本書の出版を企画しました。私一人ではカバーしきれない部分を、上の三氏にご協力いただくことで、なんとか完成させることができました。


近年、パソコンや撮影機材、研究機器が手に入りやすくなったとこで、これまではプロしか出来なかったようなことが、アマチュアにもできるようになってきました。そんな、これからの時代を生きる在野研究者になるための道しるべとして、本書が活用されることを願っています。



目次は 出版社サイト に掲載されています。この夏、本格的な昆虫採集シーズンに入る前に、是非お手に取ってみてください。